第八条 (特定承継人の責任)

【第八条】
前条第一項に規定する債権は、債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができる。

解 説
承継とは何かを引き継ぐことです。
法律上の承継には、包括承継と特定承継の二つがあります。
この内、ここでは関係のない包括承継とは個人の場合には相続、法人の場合には合併等により引き継ぐことを言います。
包括承継の特徴は、承継されるものや権利に関することがごっそり、全部、承継人に引き継がれることです。

一方で契約(売買)等により権利を手に入れることを特定承継と言います。
特定承継は、自分の欲しいものだけを手に入れているはずなので、全てを引き受けることになっていません。

嫌な想像で恐縮ですが、手に入れた中古車が事故を起こしていた車だったとしましょう(見た目はすっかり綺麗になっていてわかりませんでした)。
その事故で賠償をする相手にまだ賠償が終わっていないとします。
相続で取得した場合、つまり包括承継の場合には、車を手に入れるとともに、賠償を負担することになり、賠償金を支払わなくてはなりません。
一方で、売買で購入した場合、つまりは特定承継の場合には、車を手に入れるだけ、です。事故のことなど自分には関係のないこと、のはずです。

これが区分所有の場合には、特定承継であっても、区分所有法により先取特権の対象となる債務は承継し、負担することになります。
端的には、管理費の未払いがあると購入した人が支払わないといけません。
なお、包括承継の場合には、区分所有法に規定がされているわけではないものの、当然に、承継されることになります。


特定承継人
管理費や修繕積立金を滞納している区分所有者が、区分所有権を第三者に譲渡した場合、滞納管理費等を元の区分所有者に請求することは簡単ではありません。請求しようとしても転居先が不明な場合もあります。

そこで、このような場合には、滞納者の区分所有権を譲り受けた者(これを特定承継人といいます。)に対しても、滞納管理費等を請求できることにしたのです。

なお、この場合でも元の区分所有者(滞納者)に対しても請求し続けることができます。

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